私は今、父親と連絡をとっていない。
父は甘えられる場所があると、とことん甘えてしまう人だからだ。
私が小学校2年の時に両親が離婚した。
原因は父のつくった億をこえる借金だ。 バブル期につくった借金。
銀行、サラ金、知り合いからとサラリーマンだった父がよく借りられたなと思う。
父は競馬が好きだった。 馬券売り場に一緒に行った記憶がある。
私はあの場所が嫌いだった。
たばこの臭い、欲の臭い、イラついた大人の感情、すべてが私の頭を痛くした。
父はストレスをギャンブル、酒、夜の町での豪遊で自分の心を満たしていた。
当然、返せる訳もなく自己破産だ。
離婚したあとも、母は「あんた達が好きなお父さんと会わせないのは可哀想。」という理由で弟を含めた家族4人で定期的に会っていた。
その反面、「こんな生活になったのは誰のせい?」と私や弟に聞いてくる母。
母も余裕がなかったのだろう。
子供ながらに、いびつな関係だと思っていた。
離婚後も夏休みは旅行に一緒に行っていた。
ほとんどが母親の稼いだお金で。
私はただ優しい父が大好きだった。
私が17の頃だ。 学校を辞めて年齢をごまかしてパブで働いていた。
同世代の子達よりお金を稼ぎ、大人の遊びをお姉さん達に教えてもらう。
自信のない自分を隠すかの様にブランド品で身をかためる。
父とはこの頃、二人で居酒屋で会う事が多かった。
いつもお金に困っていそうな父。
食事代、飲み代ぐらいなら。と私が払っていた。
仕事に行く前に父から電話がきた。
取り留めのない話をしたあと、 「あのさ、ちょっと10万ぐらい貸してくれない?」
声のトーンを変えて言う。 「。。。なんで?」
「。。。ちょっと、病院とかで。。」
「ごめん、持ってない。」
貸したらこの人のためにならない。
奢ってしまっていた自分に反省した。
ショックだった。
嘘でもいいから父親の背中をみせてほしかった。
当時の私は父の弱さを受け入れることができずにいた。
しばらく会うのをやめていたが、通信制の高校を卒業する頃に母から「走り書きされた紙と3万」を受け取った。
父からだった。
お金よりも不器用に書かれた紙切れのほうが嬉しかった。
もう、水に流そう。
また父と会う約束をした。
私の過去編は、小説風味でお送りしようと考えてます(^-^)
それでは、また。
愛を込めて。